属性による審査について

属性による審査について

「自分が置かれている状況を知ろう」

クレジットカードを申し込むに当たり、審査については漠然と年収は高く、勤続年数は長いほうがいいのだろう、と思っている人がほとんどですよね。

 

大企業の正社員、あるいは公務員の方であれば、よほどの借金や延滞事故を起こしていなければおおよそのカードの審査には問題なく通ると思って間違いないと思いますし、ステータスカードを持つためには年齢などのも関係してきますが、それでも勤務先と勤続年数、勤続形態がしっかりしていれば、審査に対してさほど不安はないと思います。

 

一方で、雇用形態も不安定で収入も低いため自分の属性に自身が無く、クレジットカードを持ちたいけれども審査に通るかどうか不安で、自分ではムリだと決め付けている人もいるかもしれません。

 

しかし自分が置かれている状況と、審査基準の最低ラインがしっかりわかっていれば、そう悲観することもありません。ようは高望みせず、自分の属性に合ったカードを申し込めればよいのです。以前は正社員でなければカード審査は厳しい時代もあったようですが、今はパートや派遣社員の方でも比較的審査のゆるいカードであれば発行してもらうことは可能です。

 

スコアリングの低い方のカード審査において最も重要なのは、申し込み者の方が長期的に、安定してカードを継続利用してくれるかどうか、ということです。そこで重視されるのは雇用形態や年収というよりも、勤務年数とクレジットカードヒストリーだということを覚えておいてください。

 

ここでは主にそれぞれ審査が厳しいであろう無職、主婦、学生、年収200万円以下、クレヒス無し、自営業といった属性に対する審査基準を見ていきたいと思います。

 

 

「無職の場合」

まず結論から言うと、残念ながら無職、つまり無収入の方はクレジットカードを発行してもらうことができません

 

クレジットカードというのは支払いをカード会社が一時的に肩代わりしてくれるサービスとなっており、利用金額は後日指定口座から引き落とされるのが一般的です。

 

仮に無職の人にカードを発行してしまった場合、支払いが滞ることが容易に想像されますし、滞った支払いはカード会社の損失となってしまいます。定期的な収入があり、きちんと支払い能力のある方でなければ、クレジットカードの発行は出来ませんので、無収入の方にカードを発行することは絶対にありません。

 

例外として主婦や学生の場合は親や配偶者の収入が安定した収入とみなされるので、比較的審査のゆるいカードであればカードを発行してもらうことは可能です。

 

また無職でも不動産の家賃収入などで安定した収入がある方であれば申し込みが可能となります。同じく無職でも年金受給も安定した収入とみなされて場合によっては審査に通ることもあるようです。

 

ちなみに生活保護や失業保険などの給付金は安定的な収入とはみなされませんので、カード審査では通りません。

 

 

「主婦の場合」

配偶者の収入に頼って生活しているいわゆる専業主婦(主夫)の方の場合、収入がありませんので無職ということになります。しかしながら配偶者の収入が安定した収入として見込まれるので、カードを発行してもらうことが出来ます

 

この場合、スコアリングの対象となるのは配偶者の属性情報です。基本的に専業主婦(主夫)の方は本人の収入は見込めないので、配偶者の方がきちんと支払いの出来る状況にあるかどうかが一番のポイントなります。配偶者の方の年収や勤務年数、クレジットカードヒストリーなどが審査の基準を満たしていれば、カードを発行してもらうことが出来ます。

 

配偶者のスコアリングがよほど高ければ、銀行系や信販系などの比較的審査の厳しいカードでも発行してもらえるようですが、基本的には流通系や消費者金融系など審査のゆるいカードを申し込むのがいいでしょう。全くの無収入ではなく、パートやアルバイトなどでの収入がある場合、記載しておくと審査で多少有利になるようです。

 

スーパーや百貨店発行の流通系カードや消費者金融系カードなどは主婦をターゲットとしているので、比較的審査に通りやすくなっていますので、まずはそちらを狙ってみるのが良いでしょう。

 

また、審査に落ちてしまいどうしても自分のカードが作れない、という場合には配偶者に目的のクレジットカードを作ってもらい、家族カードを発行してもらって持たせてもらうという方法もあります。

 

 

「学生の場合」

消費者金融系など一部のクレジットカードを除き、一般的なクレジットカードの申し込み資格は18歳以上となっており(高校生は不可)、大学生や専門学校生などもカード発行の対象となっています

 

学生でもカード発行をしてもらうことは可能ですが、学生は基本的には無職で安定した収入が本人には無いわけですから、審査の対象は支援者である申込者の親ということになります。

 

また、未成年の場合は原則親権者の同意が必要となっていますが、これは書類などが必要なわけではなく、電話で確認をとるだけの場合がほとんどです。

 

審査の対象は申込者の親であり、親の勤務先や年収、家族構成や居住年数などのスコアリングがカード会社の審査基準に達しており、子供を援助するのに十分な状況であると判断されればカードを発行してもらうことが出来るでしょう。

 

本人にアルバイトなどで継続的な収入があるようであれば、それを記載しておけば審査に多少有利になるようです。

 

とはいえ基本的には学生は無職で安定的な収入が無いので、よほど親の属性が高くなければ銀行系などの審査の厳しいカード会社でカードを作るのは難しいでしょう。

 

一方で学生専用カードを発行しているカード会社も多く、審査の基準も比較的ゆるくなっています。これは卒業後就職し社会人となるであろう学生を早い段階から顧客として囲っておきたいというカード会社の戦略で、学生カードにはお得な専用の特典が多数付帯されている場合が多いです。また卒業後はそのまま一般カードとして使えるようになるので、銀行系などが発行する学生カードであれば、比較的審査がゆるい学生の段階で申し込んでおいたほうがいいでしょう

 

 

「年収200万円以下の場合」

クレジットカード会社が判断する、これくらいの収入がある方にならカードを発行してもきちんと支払いをしてくれるであろう、という年収の下限は、およそ200万円と言われています。ですので年収が200万円未満の方は、その時点で審査はかなり厳しくなります。

 

しかしクレジットカードの審査においては、ショッピングローンや多額のキャッシングをする場合とは違い、確定申告書や源泉徴収表など年収を証明するための書類の提出は求められません。カードの利用限度額が大きい場合などは書類の提出を求められる場合もありますが、よほどのことが無いと申し込みの段階から年収を正確に証明する必要は実は無いのです。

 

そこで重要となってくるのは他の属性情報です。カード会社は勤務先や勤続年数、年齢、雇用形態といった他の属性情報と照らし合わせて、常識的に考えられるおよその年収というのを予想しており、申告額がその予想と大きく変わらなければ、特に年収を証明する必要は無いとしているのです。

 

ですので、他の属性情報には問題が無いけれど、年収が200万円に少し届いていない、という方であれば、不自然ではない範囲の中で、年収の欄を多少多めに書いておく、という方法もあります。

 

もちろん年収200万円は最低ラインですので審査が厳しいことには変わりありませんが、足切りだけは免れることが出来るでしょう。申し込むカードも、銀行系よりも比較的審査のゆるい流通系、消費者金融系のクレジットカードをオススメします。

 

 

「クレヒス無し」

クレヒス(クレジットカードヒストリー)とは、信用情報機関にデータベース化された過去のクレジットカードの使用履歴のことであり、カード審査の際には、必ずこのクレヒスをカード会社は信用情報機関から取り寄せ、過去に申込者がどのようにクレジットカードを利用してきたのかを調べます

 

クレヒスには毎月の使用履歴はもちろん、延滞事故情報も掲載されており、仮に事故情報がクレヒスに記載されているとカードの審査にとって大きなマイナスとなります。

 

一方でスーパーホワイトと呼ばれるクレヒスに全く情報が無い人というのも存在します。これから初めてクレジットカードを作る人はもちろんのこと、もう一つ注意しなければならないのは過去の延滞情報が一定時間を経過して削除された人です。

 

クレヒスの事故情報というのは永久に保存されているわけではなく、およそ2年で削除されます。そのため仮に過去延滞事故を起こしてカードを使えなくなった人でも、時間が経てば再度申し込みをすることが出来るようになるのです。

 

クレジットカード会社にとってはきちんと支払いをしてくれるひとかどうかを見極めるために審査を行っているわけですから、ある程度の年齢になってもクレヒスが無い人に対しては、もしかすると過去に事故をおこした人ではないか、という疑いを持ってしまうのです。

 

また、近年はネット通販での決済ではほとんどクレジットカードでの支払いに対応しており、中にはクレジットカードでの決済以外受け付けてくれないようなサービスもあります。その他ショッピングセンターの会員カードにもクレジット機能が付いているものもありますし、クレジットカードの決済で有利にポイントが貯まるシステムも広く浸透しています。つまり普通に生活をしているといたるところでカードを持つことを進められるわけで、そんな時代にある程度の年齢に達するまでカードの使用履歴が全く無い、というのは不自然と捉えられてしまうのです。

 

30歳以上でクレジットカードヒストリーが全く無い人、というのは余程しっかりとした属性情報が無いと、簡単には審査に通りません

 

いきなり銀行系など審査の厳しいカードは難しいので、比較的審査のゆるい消費者金融系カードなどを作ってクレヒスを作ってから、他のカードを申し込むと良いでしょう。

 

 

「自営業」

自営業の場合、クレジットカードの審査が比較的厳しい傾向にあると言われており、以前は少なくとも5年以上の経営実績が必要といわれていました。

 

その理由の一つとして、勤務先の在籍確認、つまり本当にきちんとした経済活動を行っているのかどうか、ということの確認が難しいということがあげられます。

 

電話での勤務先の在籍確認は、申し込み内容に虚偽がないかどうかの裏づけ確認をすることができる、審査にとって重要なポイントの一つでしたが、自営業者の場合は本人が電話に出ることになるので、確認することが出来ません

 

もし仮に無職であったとしても自営業と申告しており、本人が在籍確認の電話に出るのであればカード会社にとっては本当の経済状況が分からないという状態になってしまいます。年収に関しても予測がつけにくいため、一般的なカード審査の場合、自営業者に対してはより厳しい目で見られることが多く、納税証明書確定申告書といった証明書類の提出を求められる場合がほとんどです

 

自営業者がまず問題なく審査に通る為には経営実績が5年で年収500万円以上というのがひとつの目安となっており、その他、家族との同居や持ち家であることなど、他の属性情報も高いに越したことはないでしょう。

 

特に自営業者の方にとっては信用が非常に大事なので、なるべく若いうちに比較的審査のゆるいクレジットカードを作っておき、堅実にクレヒスを積んでおくことが重要です。取引先銀行発行のキャッシュカード一体型のクレジットカードや流通系のクレジットカードがまずはオススメです。

 

日系の銀行系は先に述べた通り審査が厳しいのですが、アメックスなど海外のカード会社は自営業であるからといって、審査がマイナスになることは無いようです。

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